最近、アマゾンプライムでコナンのアニメシーズン6が配信されたので、少しずつ見返している。YouTubeでの配信がシーズン5までで終わっちゃって、引き続き毎日コナンをみてみたいなという思いとか、ベルモット編をまた丁寧に見返したいなという気持ちとか。
シーズン7以降も見たいからフールー加入も時間の問題だ(笑)
そうしていくうちに、ツイッターに感想が溜まってきたので、コナンは新出先生をいつ疑い始めたかという点を中心にまとめた。随時更新します。
新出先生
命がけの復活 黒衣の騎士(26巻 アニメ191話)
ベル新出初登場回。アニメではこの話から、新出先生の眼鏡のつるが2本になる。
命がけの復活の新出先生がベルモットだと矛盾が色々生じるけど「殺人ラブコメ漫画」であるコナンのラブコメの部分の頂点がこのシリーズなら、やっぱりディテールを拾うとこれはニセ新出と考えている。
自分の中で心証としてけっこう大きいのは、シャロン時代にはオスカー女優だったベルの初登場回に学園祭の劇を選んだこと。これって今思えばこれ以上ないメタ伏線かもなあと感じる。
ベル、ジョディ先生がそれぞれ持ってる蘭やコナンの写真について、ベルモットがダーツの矢を指す写真はもとの撮影データそのものと思われるが、ジョディ先生のマンションにあった写真の一部には、写真そのものを写真で撮影した上でプリントしたと思しきフチの有無とかがある。この辺、もっと丁寧に考えたいけど今回は割愛。
仮に学園祭の新出がベルモットだとシミュレーションしたとき、あの薄そうなシャツに腕まくりまでしているのだから変装は考えにくい…とか思ってたけど、最近は変装もインフレしており、とくにベルモットやキッドなんかは元の体型が関係なくなっている。
一応二元ミステリーでは胸を隠すためパットとか入れて着膨れしてたけど、よくベルはグラマラスなボディをごまかせますよなあ。
謎めいた乗客(29巻 アニメ230、231話)
コナン「(おい…まさか…まさかいるのか? このバスの中に…奴らの仲間が…)」
29巻ファイル4
まずはこちら。この話の冒頭、ベルモットの登場が示唆され、灰原センサーが発動し、劇中でも何者かに化けたベルモットがコナンを試す描写がある。
ベルモット「さあ…その口紅一本でどうする気?お手並み拝見させてもらうわよ…」
「Cool Guy…」
29巻ファイル4
フラットにこの話だけで見れば、ベルモット候補者になったのは普段接しているキャラ以外でこのバスに乗っていた人物。具体的には、明らかにモブではなくキャラ付けされている「ジョディ先生、新出先生、赤井秀一」となる。
ただ、これはフィクションだからこう言えること。コナンの立場に立ってみれば、普段接している博士や探偵団以外のバスにいたすべての人が怪しい人物となる。
この時点で新出先生はコナンにとってバスにいた人のうちの一人という認識しかない。
というか、読者側にとってもこれが連載されたときには新出先生をベル候補にしていた人は皆無だったろうと思うくらいにはまったく怪しさはなかったはず。
大阪"3つのK"事件(29巻 アニメ238、239話)
コナン「悪いけどパス!オレちょっとこっちで調べなきゃいけねー事があっから…」
29巻ファイル9
コナンは服部からパーティーに誘われ、一度は断った。
前の「消えなかった証拠」でコナンはバスの中に組織の人間はいなかったと灰原に声をかけ安心させているが、実はこの事件の時点で既にコナンは疑い始めていたことがわかる。
コナン「殺気を持った奴の気配が…探偵の勘ってヤツでね…」
灰原「……」
コナン「まあ、その気配の主がわかりゃ苦労はしねーが…少なくともあのバスの中にはいなかったぜ?お前にその殺気をみなぎらせてるやつはな…」
29巻ファイル7
灰原の怯えようを見て、詳しく調べてみないといけないと考えているという状況と思われる。このとき「調べないといけないこと」はなんだったか。
考えられるのは、高木刑事にでも確認して、あのバスの乗客に怪しい人物がいなかったか調べることだろうか。おっちゃんの声を使ってあちこちを探ろうとか考えていたのかもしれない。
本庁の刑事恋物語4(32巻 アニメ253、254話)
コナンの殺人ラブコメマンガ性を存分に発揮したほんとに良い話。ここの時点で新出先生をコナンがどの程度疑ってたのか、改めて見てみるととても微妙なところ。
由美さんと話してる時にタイミングよく現れた新出が気になった、とかの可能性もあるけど、この場面には3点リーダーもない
コナンとベル新出の接触は
コナンが新出の髪型を崩す
→めがねを梁の上に置く
→新出がそれを取ろうと手を伸ばしたタイミングで高木刑事の声を出す
→新出がとっさにフォローする
という流れ。ちなみにこの場面で既にベルモットに変声機の存在を知られてしまったという笑
コナンは新出のメガネとか髪型を触って違和感に気がついたのかもしれないけど、まあ可能性の話でしかない。やっぱり機転を利かせた新出の様子を見てちょっと引っかかったというか、新出父の事件のときの新出との人柄の違いを直感的に感じ取ったというのが有力かな。
・・・と思っていたんだけど、ツイッターでやり取りする中で、このとき新出の声を出したのは新出本人では?とのご意見をいただいた。
むむむ、たしかに。声帯模写は超人間的な能力なので、コナンにとっては警戒対象ではなかった新出がいきなり高木刑事の声を出すのは、ベル新出にとっては相当危ないと思うので無条件に外していた。
ちなみに、ベルは謎めいた乗客の時点でコナン=新一に気がついており、それは新出の姿で帝丹小学校に内科検診にきたから。灰原は学校を休んでいたのでこの時点では灰原=シェリーには気がついていない。
光彦「先日は内科検診お疲れ様でした」
コナン「新出先生がどうかしたのか?」「そーいえばオメー内科検診の日休んでたよなぁ」
29巻ファイル3
ということで、NYの事件で新一の人柄や能力を知っているベルが、高木刑事のためにわざわざリスクをとるのは考えづらいと思ってたけど…
この声を出したのが新出本人なら、コナンが新出を疑い出す決定的な理由になるから逆に腑に落ちると思う。こっちの説がとても有力だなと思い直した。
ちなみに、この料亭には赤井も来ており、蘭に目撃されている。
赤井はコナンが高木刑事に新一の声でアドバイスしてたトイレから出てきたから、少なくともこの時の状況や新一の存在は認識してたのかも。
工藤新一=名探偵とまでの認識はなかったかもしれない。二元ミステリーでガキが邪魔だとか言ってるから、今のようにコナンがだだの子供ではないとまでは認識してないだろう。
33巻の時点で確実なのは
①コナンが杯戸シティホテルにいたクリスビンヤードも組織の仲間ではないかと考えていた
②クリスは誰にでも化られることも知っていた
③バスにいた人の中にクリスがいたと考えていた
というところ。
いずれの場合にしろ、この話でコナンは、新出先生をバスに乗り合わせた中で灰原が気配を感じた人物の候補の一人として入れる大きなきっかけを掴んだと思われる。
いやー、佐藤高木の乳繰り合いの裏でスリリングすぎる攻防だ。
その他引っかかったこと、気になったこと
きのこと熊と探偵団(27巻-28巻 アニメ212、213話)
灰原「リンゴはアダムとイブがその実を口にして神の国エデンから追放された禁断の果実…」「『善悪の知識の実』なのよ…」
27巻ファイル10
松茸との比較で元太がリンゴを出してきたが、灰原が話に入ってくる。
FBIがベルモットに名付けた標的名は「ラットンアップル=腐ったリンゴ」で、シャロンが女優として名を挙げた「ゴールデンアップル」もリンゴが絡む。ベルモット編全体を灰原の口から言わせる薄めのメタ伏線と考えられる。
そして人魚はいなくなった(28巻 アニメ222-224話)
君恵さんが身に付けた特殊メイクと、黒羽盗一氏を発祥とするベルや有希子の技術と何か関連はあるのか、とやや気になる。今でこそ変装かも、と常に考えておく必要はあるんだけど、ベル編以前は変装キャラってほぼキッドだけだった。それが学生時代に特殊メイクを学んだからといって君恵さんがあんなにレベルの高い技術を身につけるのはちょっと引っかかります。
もちろん、この島に来ていることがかねて判明しており、未回収の「黒澤陣」「宮野志保」の伏線も気になる。